『朧の森に棲む鬼』

夕方から劇団☆新感線×松竹『朧の森に棲む鬼』@新橋演舞場


作・中島かずき
演出・いのうえひでのり


出演
市川染五郎阿部サダヲ古田新太秋山菜津子真木よう子、高田聖子、粟根まこと小須田康人田山涼成、など


物語は『リチャード三世』をベースに「酒呑童子」伝説を絡めたもの(ということになっているけど、もちろん大胆に脚色してあって、なんなら全く別物と考えてもいい)。市川染五郎演じる主人公「ライ」が悪魔の如き奸智によって国王に成り上がりやがて破滅していくわけだけど、彼の最大の武器は、朧の森の魔物から渡された「剣」と、彼の「舌」から繰り出される嘘(なのでこの作品、英題[副題?]を "Lord of the Lies" と言う。もちろんゴールディング)。この「剣」と「舌」は、「舌が動くのと同じ速さで剣も動く」と言われているように、ほぼ等価。「舌=剣」の図式は終始強調されるけど、最後に決定的な意味を持つことになったりもする。


なんにしても、とても楽しめた。役者陣は皆さすがだし、秋山菜津子は相変わらず美しいし、真木よう子も舞台では初めて観たけど良かったと思う。舞台美術も豪華。


残念ながら今回はいい席が取れなくて観づらかったので、DVD待ち。




昨日のこと。


昼から渋谷の映画館で李相日監督『フラガール』。この映画が『ウォーターボーイズ』とか『スウィングガールズ』と一線を画すのは、やはり舞台が昭和40年代の福島の(衰退する)炭鉱街だからなんだろうな。


夜は衛星放送で舞台『アジアの女』(作・演出 長塚圭史)を。地面に宛てて手紙を出して(埋めて)、毎日きちんと水をあげると、その言葉は水に溶け出して、ちゃんと届く。はじめて手紙をもらった地面は喜んで、その手紙に書かれた願いを頑張って叶えてくれる。そして、たくさんの、ありとあらゆる芽を出してくれるのだ。