関東支部

日曜日は、日本英文学会関東支部の例会。午前中に同じ会場で英語教育・学習研究会の例会もあったので(というか、この会は、関東支部の英語教育部会という位置づけなのか)、まずはそちらに参加。


最初に、「英語」の授業の枠でいわゆる「文学」を題材とする際の実践例。特に、英語が苦手で、ましてや「英文学」などには何の興味もない(というか、ほとんどその存在を知らない)という学生さんたちへの「動機づけ」という点に焦点をあてたもの。要するに、まずは映画を使って興味を持ってもらいましょうということで、それ自体はいまさら珍しくも何ともないのだけど、その具体的な方法をいくつか見せてもらって勉強になる。面白いと思ったのは、みんなで字幕を作ってみましょうというもの。(そういう方法もある、という紹介だけで具体的な中身は時間の都合で話してもらえなかったけど。)


字幕には、概ね「1秒4文字」という制限があるので、ひとつひとつの英文の内容をきちんと理解した上で日本語を相当工夫しないといけない。場合によっては、文脈上重要ではないと判断した情報はバッサリ切ることもあるので、そういった読解力も必要になる。いろいろな訓練ができるのではないかな。


あるいは、もともと日本語の台詞の作品でアメリカ版などのDVDが出ているものを素材に、その日本語の台詞がどのような英語字幕として処理されているのかを検討するというのも面白そうだ。宮○アニメとか。


英語教育の二つ目は、放送大学の先生たちがどのようにマルチメディアを用いた教材開発(およびシステム開発)や授業をしているのかという報告。そもそも、放送大学の授業にはディレクターとか構成作家とかがいるという話に驚いた(言われてみれば当然でもあるのだけど)。教材付属のCD-ROMやDVD、インターネットなどで提供する映像教材は今後ますます需要が増えるのだろうけど、そういったものを作成していくためのノウハウを放送大学の関係者は蓄積してきているようで、今回の話は、今後はそういったノウハウをオープンな形にしていきましょうというオファーであったわけだ。


午後のはじめは、長らく第一線でご活躍中の大先生たちによる含蓄に富んだシンポジウム。「偉大な先達」の歩んできた足跡を垣間見せていただいて、では現在の日本の英文学研究・教育の状況にあって自分はどうすべきか、そういったことを「後に続く者」として考える、そういう機会であった。


その後の研究発表と懇親会はパスさせていただいて、早めに帰宅して授業の準備などを少し。