ラディカルな暴力

各方面より、ゆっくりと静養して読書にでも励めばよいという、ありがたいお言葉を頂戴する今日この頃。


ところがどっこい、ですよ。この状態で身の回りのことを自分でやりつつ、座っていようが寝ていようが、しばらく同じ姿勢でいるとなんだか左足がうずいてくる、そういう状況なわけで、なかなか落ち着いて読書をすることもままならないわけであります。(泣き言)


まあ、どうってことないですけどね。(強がり)


ということで、まず読んだのは、以前に抜き刷りを頂いたままになっていたもの。たいへん興味深く拝読。
Fuhito Endo, "Radical Violence Inside Out: Woolfe, Klein, and Interwar Politics" Twentieth-Century Literature 52. 2 (Summer 2006): 175-198.


戦間期ブルームズベリー・グループによるメラニー・クラインの精神分析理論の受容と、同グループの中産階級的な「大衆」言説の生産とを並べてみると意外な関係性が見られ、そしてその点から見ていくとウルフのテクスト(ここでは特に『灯台へ』)とクラインのテクストとの間には親和性(必ずしも直接的な影響関係ではなく)があると。精神分析関係のものは普段あまり英語では読まないので、勉強不足の私にはその点ちょっとしんどいわけで(まあ、日本語で読んだって難しいけど)、とりあえずこんなまとめ方しかできないわけです。


せっかくだから普段だったら通読しなさそうなものでも読むことにしようかと、本棚を眺めて目に留まったので引っ張り出したのが以下のもの。

The Story Of Britain

The Story Of Britain

イギリス史の通史は日本語では通して読んだりしたこともあるけど、英語だとどうしても初期近代を扱った部分しか読まなかったりするので、この際ロイ・ストロング大先生の書でも読み通してみようかと。ローマ人侵攻以前から20世紀末まで、本文が570ページ、まあ、ちょうどいい。もちろん、この人の本なので相当な量の図版が入っているわけで、うずく足を抱えながらでも楽しく読めるだろう。