研究発表

昼から母校。2007年度東京都立大学英文学会にて研究発表。
タイトルは「ドライデンのクロムウェル追悼詩における描かれた円環としての帝国」


ここ数年少しずつ勉強している17世紀の帝国史研究に基づいたドライデン解釈、というのはいつもどおりだけど、今回は件の詩においてドライデンがクロムウェルを円環や球体のイメージを用いて描いている点から、マージョリーホープ・ニコルソンの『円環の破壊』の議論を導きの糸にして、クロムウェルを中心とした同心円的空間表象(イングランドブリテン島→海洋<帝国>)の問題を論じるもの。


以前からニコルソンの「円環」の議論と、川崎寿彦『庭のイングランド』における「閉じた空間」の議論を、昨今のブリテン史や帝国史を踏まえた空間表象の問題と接合してみたいとは思っていたので、今回そのニコルソンや川崎氏を高く評価するT御大(学魔)のご講演の前座ということで、思い切ってやってみた次第。


直前まで原稿を書いたりばたばたしていたので不安が大きかったけど、幸い聴衆の皆さんからは好意的な評価をいただけたようで一安心。もちろん今後の課題もいろいろ出てきたわけで、特に、そろそろマーヴェルをきちんと読まないといけないかと。結局、ドライデンだけを論じていたって、ドライデンの特異性はわからないわけで。精進しないとな。