ついにきた

J・G・A・ポーコック『マキャヴェリアン・モーメント――フィレンツェの政治思想と大西洋圏の共和主義の伝統』(田中秀夫他訳、名古屋大学出版会)
http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-0575-3.html

マキァヴェッリによる古典共和主義思想の復興に注目し、イタリアから英米へと展開する「シヴィックヒューマニズム」の軌跡を掘り起こした記念碑的名著。「共和国の不安定性」を焦点とする思想史上の一大事件を捉え、その巨大な波動と思想世界の総体的変動を、広大な射程と圧倒的な迫力をもって描き出す。


原著の初版は1975年。初期近代の政治思想史研究においては必読の名著とされているわけだけど、いかんせん難しくて私なんかは歯が立たない。で、長らく「翻訳進行中」の噂を聞いていたのだけど、ついにきた。今回の日本語訳には、2003年に出た新版の「あとがき」に加えて、以下の論考も合わせて訳出されている様子。
"The Machiavellian Moment Revisited: A Study in History and Ideology," Journal of Modern History 53 (March 1981), 49-72.


日本語で読んだって難しいものは難しいのだろうし、場合によっては翻訳の方が難しくなることもあるわけだけど、とりあえず、出たら買ってみよう。高いけど。