学会と懇親会

昨日10日(土曜日)は昼から渋谷。日本英文学会関東支部1月例会@青山学院大学

はじめに今回からの新企画「イギリス小説ワークショップ」へ。研究発表やシンポジウムよりも緩やかな形で報告やコメントをしていこうというもので、これから論文をまとめるためのステップになるようにという若手支援企画。今回が初回ということもあり応募者は二名と少し寂しかったけど、コメンテーターからはバシバシと意見が出て、それなりに盛り上がった。それぞれの発表の中身についても興味深く聴いていたけど、それに加えて、若手支援企画ということもあり、研究、論文執筆、プレゼンテーションの作法についての「指導」が聴いていて勉強になった。今後も継続していく企画だそうで、関東の大学院生などでイギリス小説を研究している人は是非是非。

今回の発表はそれぞれ小説と音楽、小説と映画という「脱領域」系の研究だったのだけど、それを受けて(特に懇親会で)盛り上がったのは、これまでの「文学」研究のディシプリンを活かした形での、映画、絵画、音楽なども含めた「表象」研究のあり方をきちんと考えていくこと、そしてそれを「英文学会」的にも取り込んでいくことがやはり必要だろうということ。確かに、特に教育の現場では、例えば「映画でわかる英文学」的なことは行われているわけで、その手の書籍なども出ているけれど、それを「だって最近の学生は本読まないし・・」とかいう消極的な理由ではなく、もう少し積極的な形でやっていく必要があるだろうと思われるわけで。

ワークショップの「裏番組」ではシンポジウム「転換期を生きた女性たち――公共圏の内と外」が催されていて、そちらも盛り上がった様子。配布資料だけもらってきたけど、カラー図版も交えた豪華なもの。もらっておいてよかった。

その後は特別講演。V○P風に言えば「古本を買いに行く服がない」。(いや、わけわからなくてすいません。)

それから研究発表がひとつ。コンラッドの『ノストローモ』における群集表象。コンラッドのテキストの中でのcrowd, mass, mob, public, multitude といった概念の扱われ方は興味深い(し、難しい)。


夜は懇親会(兼新年会)を二次会まで。毎度思うわけだけど、若手の皆さんはもっと懇親会に出るべきだと。学会会場で手に入る情報量よりも多くのことを得られる場ではないかと思うわけで(ただし二次会になるとグダグダだったりしますがね)。