『ザ・キャラクター』

7月30日(金)、夜に池袋。

NODA・MAP 第15回公演『ザ・キャラクター』@東京芸術劇場。作・演出 野田秀樹。出演 宮沢りえ古田新太藤井隆、美波、池内博之、チョウソンハ、田中哲司銀粉蝶野田秀樹橋爪功、ほか。

例によって、どんな話かまとめるのは私には無理だし、いちおう劇作家ご本人の言葉を引いておく。

町の小さな書道教室、そこに立ち現われるギリシア神話の世界、それが、我々の知っている一つの物語として紡がれていく。物語全てが、ギリシア神話さながらの、変容(=メタモルフォーゼ)をモチーフとしたお話になっています。信じていたものが、姿を変え、変化を遂げていく物語。その最後に立ち現われる、我々が知っている物語とは…。

ギリシャ神話という「神々」の物語と書道教室の「紙々」の物語。これはもちろん、 "character" が物語の「登場人物」であると同時に「文字」――とくに本作でいえば「漢字」(Chinese character)――であるから可能な話か。ネタばれになるからあまり言えないけど、題材としては実はとても重いものを扱っていて、プロレスの会場がヴェトナムの戦場に重なる『ロープ』のときと同様、問題になるのは、「記憶」と「忘却」、「出来事」と「歴史」と「物語」、といったあたりかなと思ったりするけど、ヴェトナム戦争よりも「近い」ものを扱っているので、ますます大変か。