17世紀英文学会
先週13日(土)、17世紀英文学会東京支部の例会。特別ゲストに Dr. George Southcombe (University of Oxford, Somerville College) をお迎えし、 "The Varieties and Uses of Dissenting Verse, 1660-1700" と題して講演。
Dr. Southcombe は、まだ若い歴史研究者。以下の共著あり。

- 作者: George Southcombe,Grant Tapsell
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今回の講演や著書のタイトルからわかるように、王政復古期の専門家であり、いわゆる「文化史」方面もやっている方で、目下の研究対象は王政復古期の Dissenters / Nonconformists の書いた詩である。で、以下の編著が来年刊行される。

English Nonconformist Poetry, 1660?1700
- 作者: George Southcombe
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↑これ、アマゾンでは1巻本で出ているけど、本人が言うには3巻本になるそうな。
この時期の非国教徒については、Christopger Hill, N. H. Keeble, Sharon Achinstein などの研究があるけれど、それら(とくに前2者)の議論を批判的に再検討しつつ、当時の非国教徒詩人たちの活動を、出版文化の隆盛、彼らの宗教的「アイデンティティ」(の複雑さ)、大衆文化との関係といったあたりから話してもらった。
ドライデンなんかはもちろん『アブサロムとアキトフェル』で顕著なように非国教徒を批判しているわけだけど、私なんかはその批判されている側のことは不勉強なので、そのあたりもっと勉強する必要ありと思っていたから、今回の講演もためになった。具体的に取り上げられた詩人は Robert Wild, Thomas Grantham, Vavasor Powell, Benjamin Keach で、かろうじて名前くらい知っていたのはR. Wild くらいなもの(彼などは当時かなりの人気があったようだ)。
で、こういう研究を "historian" がやっているのを見ると、「文学」と「歴史」をまったくの別物と考えるのはやっぱり違うよねと思うわけで。

The World Turned Upside Down: Radical Ideas During the English Revolution (Penguin History)
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The Experience of Defeat: Milton and Some Contemporaries
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Milton and the Revolutionary Reader (Literature in History)
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Literature and Dissent in Milton's England
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