久しぶりに

金曜日は研究日なので、久しぶりに17世紀関係の論文を(再読ではなく)新たに読む。とは言え、出たのは一年位前なのだけど。
Elizabeth Clarke, "Re-reading the Exclusion Crisis" The Seventeenth Century vol. 21. no. 1 (Spring 2006): 141-159.

Joad Raymond のパンフレット論とJonathan Scotの政治思想研究、それから近年盛んな「反カトリック言説」研究を下敷きに、王位継承排除危機に際して出版されたパンフレット類を俎上に載せ、特にそのレトリック戦略に注目するもの。注目されるのは"loyal"(こちらは概ねTory寄りのレトリック)と"true"(特に "true religion" とか "true Protestant[ism]"。こちらは概ねWhig寄りのレトリック)という語の使われ方。この「危機」と宗教や信仰の問題が切り離せないことはずっと論じられているが(直接的な原因が王位継承者ヨーク公カトリック信仰とフランスの脅威であったわけだから)、それを出版物(特に説教)のレトリックのレヴェルで再確認したということになるのかな。