かけもち

土曜日は、昼から神保町。まずは18世紀イギリス文化・文学研究会の第9回例会@専修大学。発表を一本。17世紀後半から19世紀初頭くらいまでの英仏の服飾史の概観。時間の都合で男性のファッションを中心に。フランス帰りの国王チャールズ二世がイングランドの上流階級のファッションに与えた影響や、イングランドにおける繊維工業の発展と「ファッションの民主化」とも呼びうる流れの関連性など、豊富なカラー図版とともに啓蒙的な話。18、19世紀の小説や、『タトラー』や『スペクテイター』に代表される定期刊行物などでは、しばしば当時のファッションに関する記述が見られる。しかしそれらは文字だけからではヴィジュアル・イメージは把握できないわけで、こういう発表は勉強になる。


もう一本の発表も聞きたいところだったけど、中座して明治大学に移動。シェイクスピア協会主催の若手育成プログラム、シェイクスピア・ワークショップの第2回。各自の持ち時間が短いため、内容に関しては説明不足だったり、逆に詰め込みすぎて猛烈な早口になったり、いろいろと皆さん苦労なさっているようだったけど、こういう企画に毎年コンスタントに応募があるのは良いことである。博士前期課程の院生さんとかも発表をしており、すでに私は「業界最若手」ではなくなってしまったようだ。こうやって段々と「若手」が言い訳にならなくなっていってしまうわけか。


そんな私から偉そうに「最若手」の皆さんにアドヴァイスを申し上げるならば、文献表の作り方はちゃんと指導教員から教わるか自分で調べるかしましょう、ということくらいか。私が見た限り、発表者6名中、きちんとした文献表になっていたのは1名だけだったかと(ちなみにその方は「最若手」ではなく私と同じ非常勤の方)。些細なことと思われるかも知れないけど、文献表を含めハンドアウトの適切さや見易さ、それからもちろん話し方など、発表内容を伝えるための手段に関しては、下手をするととても損をしてしまうことがあるので、可能な限りは気を配った方がいい。もちろん、自戒を込めて書いているのだけど。