ドライデンの新しいエディション

最近出たドライデンの詩の新しいエディションが届く。

Dryden: Selected Poems (Longman Annotated English Poets)

Dryden: Selected Poems (Longman Annotated English Poets)

ロングマンの"Annotated English Poets"でハードカバー全5巻で出ているもの(ただしウェルギリウス全訳は収められていない)からセレクトして、注釈を若干アップデートして一巻本にしたもの。嬉しいのはペーパーバックでも出たこと。この全5巻本は、注釈に関しては見事な仕事ではあるものの、実は本文校訂に関しては批判も出ていたりするらしい。カリフォルニア版全集などの他のエディションに比べて、spelling、capitalization、punctuationなどに関するmodernizationの度合いが高いので、そのために編者の解釈が本文校訂に出てしまっていることが原因なんだろうと思う。


そうはいっても、これだけ充実した注釈つきのエディションがペーパーで手に入るのは良いことである。5000円近くするから安くはないけど。ただ、今回のセレクションに関しては、"To his Sacred Majesty"、"To My Lord Chancellor"、"To My Honored Friend, Dr. Charleton"といった、1660年代前半の重要な(と私が勝手に思っている)作品が入っていないので、いささか残念ではある。いや、まあ、そんなことを言い出したら、全5巻をペーパーで出してくださいという話になってしまうので(実際それが一番ありがたい)、仕方ない。


これでミルトン、マーヴェルに続きドライデンの詩が同シリーズのペーパーバックで読めるようになったわけで、せっせと勉強しないと。個人的には、Edmund Wallerに関してもシリーズから出てくれないかなと思ったり(まあ、無理だろうけど)。ドライデンが直近の先達として最も高く評価しているのがこのウォラーなので。


おお、なんだか今日はこのブログ始まって以来の「ドライデン研究者(のタマゴ)」っぷりではないか。