タイトルに魅かれて

いろいろ読まなきゃいけないものもあるけど、面白そうだったので読み始める。

Vermeer's Hat: The Seventeenth Century and the Dawn of the Global World

Vermeer's Hat: The Seventeenth Century and the Dawn of the Global World

著者はもともと明の時代の中国のことが専門の人のようだけど、どうやらその時代の中国とヨーロッパとの交流のことに興味が広がって、そのまま同時代のオランダのことを研究したりしている様子。で、タイトルにもあるとおり、フェルメールの絵画を観つつ、そこに描かれているもの(室内の小物とか、帽子とか)がいかに当時進行していた「グローバリゼーション」の産物であったかを論じるもの。といっても、それほど堅苦しい学術書の体裁をとっているわけではなく、著者自身がオランダで体験したことや、歴史上のさまざまなエピソードを織り交ぜながら話が進む(オランダのことはもちろん、「新大陸」や、著者の専門の中国、日本のこともいろいろと)。フェルメール論としても、17世紀の東西交流史としても面白く読める。いや、まあ、まだほんの最初の方しか読んでないけど。


フェルメールは日本でも人気があるし、テーマ設定も「今どき」だから、誰か訳して出せば売れるのでは。