ぼちぼち
新居での生活にも慣れてきたものの、相変わらず片付いてはいないわけで、本日ようやく本棚を組み立て、少しずつ本を入れ始める。来週中にはどうにかしたいもの。
そんななか読了したのは、先日の『雪』(とても面白いが、やっぱりちょっと読みにくい)と↓のもの。
- 作者: 小林章夫
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
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ロンドンの「シティ」という特殊な空間についての、その成立から20世紀末までの通史。読み物風で軽く読めるけど、基本的なことが勉強できる。もちろん1666年のロンドン大火後の都市再開発計画のことにもページは割かれている。まあ、そのあたりのことなら↓の本が手軽に読めてしかも詳しいのだけど。
ロンドン=炎が生んだ世界都市―大火・ペスト・反カソリック (講談社選書メチエ)
- 作者: 見市雅俊
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/06
- メディア: 単行本
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で、いよいよ読み始めたのが、↓これ。いや、まあ、遅いよ、って感じですが。
- 作者: 中井亜佐子
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: ハードカバー
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この本についてはすでに「はてな」界隈でもレヴューがいくつか。
http://d.hatena.ne.jp/hspstcl/20071225
http://d.hatena.ne.jp/melaniek/20080125
http://d.hatena.ne.jp/nomorelines/20080131
http://d.hatena.ne.jp/shintak/20080204
で、まだ全部読んでないけど、私の新居の書棚に新設予定の「お気に入りコーナー」に並ぶ本がまた一冊増えたなと。(ちなみに旧居の書棚には「黒眼鏡の御大コーナー」があった。これは新居も同様。)
まあ、私なんぞは、ここで扱われている作品とかあまり読んでないので、きちんとしたことは言えないのだけど、melaniek先生がお書きの「今後英文科で「ポストコロニアル」をめぐって研究を志す者であれば明らかに必読」というのには深く同意するし、shintak先生の「現在学問的批評に関心があるなら必読」という言にも納得。
たぶん、この本のすごいところ(と私が一番思うのは)、タイトルにある「他者」、「自伝」、「ポストコロニアル」、「文学」、「読む」という個々の語と、その組み合わせである「他者の自伝」、「ポストコロニアル文学」、「文学を読む」といった言葉のそれぞれに対して、きちんと緻密な原理的考察と批評を行っている点にあるのではないかと。なかんずく、これはshintak先生も仰っている通り、「読む」という点に関して。この点がやっぱり、今後の文学系ないし人文系の学問の要のひとつになるのだろう。