出かける週末

昨日は昼から駒場日本英文学会関東支部4月例会@東京大学駒場キャンパス。少し遅れて会場入りし、最初のシンポジウムの終盤から。

その後は、コールリッジの『老水夫行』の話も聞きたかったのだけど、迷った挙句に英語教育部門へ。ライティング指導におけるpeer reviewの活用についての研究発表と、1990年代以降の英語教育の状況と今後の展望、さらに英語教育における文学テクストの利用についての講演。どちらも興味深く聞く。いずれにしても、いろいろ工夫して授業をしていかないといけないのね、と。

それから英文学の研究発表。ゴシック小説といえば必ず名前が挙がる『マンク』のマシュー・グレゴリー・ルイスが、実は当時は劇作家としても活躍しており(というか、長編小説が『マンク』一本だけで劇作が10数本とのことで、むしろメインが劇作だったとのこと)、英文学研究において「ゴシック」を論じるときにそのあたりが見落とされがちだし、そもそもゴシック演劇は研究上はあまり評価されてこなかったので(「ゴシック研究」においても「18世紀演劇研究」においても)、あらためて論じていきましょうという発表。特に着目されたのがゴシック「小説」でもしばしば言われる「視覚性」(サブライムとかピクチャレスクとか)という点で、それが劇場空間ではもっと露骨に表れるという、当然といえば当然な観点なわけだけど、そこに正面から切り込む議論。今回取り上げたのはルイスの『古城の亡霊』(The Castle Spectre)の幽霊の登場シーンなど。ゴシック演劇についての研究は多分それほどたくさんはないのだろうし(少なくとも日本では)、興味深い話。


今日は昼から国立。「歴史と人間」研究会一橋大学
17世紀半ばに大陸ヨーロッパを揺るがした「三十年戦争」について、18世紀から20世紀末までどのように研究がされてきたのか、そして今後どのような研究の可能性があるのかという話。いちおう17世紀のことを勉強している身として、そして研究テーマとしてドライデンをはじめとする英文学作品を当時の「国際的」な諸関係をコンテクストとして考えるということを挙げている身として、大陸のことも勉強していかないといけないわけで、専門外ながら興味深く聞く。が、ちょっと用事があって質疑応答の終盤で中座。


しかし、今年度は週5日出勤で(1日のコマ数は多くないけど)、それに加えて週末に出かけていると、なかなか疲れる。慣れの問題なのだろうけど。