イーヴリンとか

昨日10日(土)は朝1限の授業のあとしばらく研究室で学務。その後、東武練馬。十七世紀英文学会東京支部の例会@大東文化会館。今回はジョン・イーヴリンについて。イーヴリンといえばピープスとならぶ17世紀の「日記作者」として有名だけど、ピープスが海軍大臣にまで上り詰めた優秀な官吏であり海軍改革において功績があったのに対して、イーヴリンの場合はロンドン郊外に地所を持つジェントリー階級であり王立協会の中心メンバーとして活躍し、造園や植林、大気汚染問題などに関する著作を著し、王政復古後のロンドンの種々の都市改良に尽力した人物でもある。今回の発表ではその方面のイーヴリンの著作を検討し、当時における「科学/学問」と「技術/実用」という二項のあいだで彼がどのように振舞っていたのかという点や、一見すると中立的な「技術指南書」である彼の諸著作の底流にある政治的イデオロギー性はいかなるものかという点、そういった話。

私の印象では、社会史や文化史のような分野においては、イーヴリンの残した日記の同時代的資料としての価値に目が行くことが多い気がするけど、他にもいろいろな研究もなされてきているようだし、やっぱり面白い人物だなと。


明けて11日(日)、今日は散髪したり学務で某文書をせっせと書いたり、一方で月末締切の紀要論文のことを考えつつ他方でやっぱり月末の研究発表のことを考えたり、翻訳1(ずいぶん前にやったものだけど監訳者と編集者から大量のチェックが入って戻ってきたので修正をしないといけない)および翻訳2(すっかり停滞中)のことはしばし忘れたり。