英語教育/政策の現状
先月からちょっとずつ読んでいた以下の本を読了。あいかわらず読むペースが遅い。
- 作者: 寺島隆吉
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2007/07/31
- メディア: 単行本
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もちろん、まずは自分自身の「英語力」をもっと高めることが第一であり、また教室で目の前にする学生たちに合わせて指導方法なども考えていかなければいけないのだから、「語彙指導」とか「リーディング指導」とか、そういった勉強もするべきなのかもしれないけど、一方で上記の本のような「原論」もやはり大事かなと。
英語教師はどうあるべきか、どうあってはいけないか、現在の英語教育を取り巻く社会的、経済的、政治的状況はどうなっているのか、といった話なわけだけど(あとはアメリカ批判とか)、「原論」ではあってももちろん単なる抽象論や理想論ではなく、豊富な資料とデータに基づいた立論になっている。議論はおおむね小学校英語教育導入への批判に収斂していくのだけど、もちろんそこでは中等教育での英語教育のあり方についても論じられる。
では大学で英語を教えている私には関係ないかといえば、もちろんそんなこともなく、大学の教室で出会う学生たちが初等中等教育でどのように英語と接してきたのか、それを知ることは大学英語教師にとっても重要なことだろう。それに、中学校や高校の英語教師たちの置かれている状況や、その苦労を知らずに、単に「最近はこんなことも中学高校で教えていないのか」とか文句を言ってみてもどうしようもないわけで。巨視的に英語教育について知り、考え、その上で微視的に目の前の学生と向き合う、そういう風にいきたいもの。
言うは易しだけど。