『オセロー』

昨日17日(月)、研究室で仕事をして、夕方から早稲田。インターナショナル・シアターカンパニー・ ロンドン (ITCL)第34回日本公演『オセロー』@大隈講堂。シェイクスピア作品を生で観るのはものすごく久しぶりな気がする。そんなことでいいのか。それはともかく、少人数で役者が登場人物と楽器や歌を兼ねるスタイルは、いろいろと工夫がされていて面白く観賞。

終わり方に関して。この作品の結末では、オセローに殺されたデズデモーナ、イアーゴに殺されたエミリア、そして自害したオセローと、三人の死体が舞台上にあるわけで、私のイメージでは(そしてこれまで観たいくつかの上演や映画ではだいたい)、デズデモーナとオセローはベッド上に重なるようになっていて、その肌の白と黒(褐色?)のコントラスト、およびシーツの白と血の赤(オセローは短剣で自害するので)のコントラストが際立つのかなという感じで、つまりは二人の結婚初夜を反復しているような感じになって(その場合エミリアは[ベッドの下だけど]侍女らしく控えている)、それを見てロドヴィーコーはその光景を「カーテンで隠せ」と言うのかと。なんだけど、今回は、横向きのベッド上にデズデモーナ、手前側(観客側)のベッド下にエミリア、そしてベッドの向こう側の下にオセロという配置になっており、つまり観客側からは(少なくとも私の席からは)エミリアとデズデモーナしか見えないようになっていた。つまり前者の配置だとやはり最後に問題になるのは「異人種間結婚」とセクシュアリティということであったように思えるけど、後者の配置だとどうなるのかなと。デズデモーナとエミリアが前に出ているわけだけど、これをもって「最後に女同士の絆が前景化されている」とか言ってしまうのもどうかと思うし。

後期には講義で『オセロー』の話をすることにしているので、いろいろきちんと考えておかないとな。