イギリス演劇の「スペクタクル化」

4月24日(日)、午後から神保町。第37回スチュアート朝研究会@専修大学神田キャンパス。

例年なら3月にやっているところ、延期して昨日。今回は5月の英文学会シンポジウムに出るメンバーによるリハーサル的な発表。取り上げたのは、スコティッシュ・バラッド・オペラ、シェリダンのバーレスク、パントマイム、サヴォイ・オペラ。基本線としては、教科書的な英文学史あるいはイギリス演劇史からは抜け落ちがちな、18世紀中葉から19世紀後半までの、とりわけ視覚的スペクタクル性や音楽に重点を置いたものをどう位置付け評価するかということ。台詞を重視して「演劇とは耳で聴くものである」と考えたり(シェイクスピアあたりなら確かにそうだろうけど)、あるいは台詞を「読んで」味わうという風に考えたりすると評価のしようのないような作品群が、むしろこの時期の劇場では中心的な演目であったわけで、音楽や視覚的スペクタクル装置、絵画的舞台造形、台詞なしのパントマイムの役者の身体性といった点や、あるいはメタ・シアター的要素などに着目することで、幅を広げた議論になる。もちろんそこにブリティッシュネスや階級性といった「政治的」問題も絡んでくるわけで。

研究会や懇親会ではいくつかおめでたい話も聞き、いろいろ元気が出た。ようやく来週から勤務校の授業も始まるし、がんばっていこう。