4月〜9月初頭
久しぶりの更新。もはや何の意味があるのかわからないブログではあるが、いちおう4月からのメモだけ。
今年度、授業は7コマ。卒論指導は11名、シェイクスピア、オースティン、ゴシック、児童文学、ポピュラー・ミュージック、「サブカル」などなど節操無く引き受ける。
5月1日、蜷川シェイクスピア『ヘンリー四世』。吉田鋼太郎は喜劇の方がいいのかもしれない。
5月12日、劇団空感エンジン・プロデュース『Juliet』@両国 Air Studio(脚本・藤森一朗、演出・多田明日香)。 文化祭での上演のために『ロミオとジュリエット』の稽古をする演劇部員たちと、卒業して数年後の彼ら/彼女ら、二つの時間を「記憶」がつなぐ物語。「青春もの」かと思ったらそうばかりでもなく、一瞬ホラーかと思わせつつミステリーとかサスペンスなのかと思ったらやっぱり悲恋の物語であった。ジュリエットは死ななければならないのである。ロミジュリのアダプテーションものとしても楽しめるものだったかと思う。
5月24日、十七世紀英文学会全国大会@仙台ガーデンパレス。テイトの『リア王』改作について話をしたけど、途中で大きめな地震があってびっくりした。「市民社会の成立」というトピックについて勉強してうまく接続できればよいのではないかという示唆をいただく。
5月25日〜26日、日本英文学会全国大会@東北大学。いろいろ思うところあって、英語教育関係の発表やシンポを中心に拝聴。あとは社交など。仙台はいいところであった。
6月22日、日本英文学会関東支部大会@明治大学。わけあって、英語教育に関する発表をする。
6月23日、世田谷パブリックシアターにて、白井晃演出の『オセロ』を。主演は仲村トオルと山田優。イアーゴはしばしば「演出家」的位置にいると指摘されるが、本講演はまさにそういう作りであり、面白い演出であった。高田聖子のエミリア、最期のセリフは全部言わせたほうがよかったのではないか、と個人的感想。それにしても山田優は美しい。そういえばこの方は歌がうまいのであったことを思い出した。
7月13日、十七世紀英文学会東京支部例会@立正大学。今ではほとんど言及されることのない英文学者である浦口文治が、どのような「ハムレット像」を描いていたのか、それは実は日本の「近代化」というプロジェクトの中でのものであったということ。全然知らない人のことであったが、たいへん興味深い。
7月14日、「歴史と人間」研究会@一橋大学。「学習社会」という理念(きわめてポストフォーディズム的な理念)と私たちの「文化」のあり方とのかかわり。『ブリジット・ジョーンズの日記』やカズオ・イシグロ、ハリポタなど。
7月28日、オープンキャンパス。
8月17日、18日、オープンキャンパス。17日には模擬授業でレディ・ガガの話をする。
8月23日〜29日まで、ロンドン。ひたすら歩く。あとは『オペラ座の怪人』@Her Majesty's Theatre、『レ・ミゼラブル』@Queen's Theatre、『サウンド・オブ・ミュージック』@Open Air Theatre(Regent's Park内)と、ミュージカルの王道3作品を観劇。
9月1日、年年有魚『花の散りぎわ』@下北沢駅前劇場。
9月5日、TYPES『fairy moon 夏の終わりに』@両国シアターχ(台本構成・演出パクインバル )。タイトルだけだとわからないけど、シェイクスピアの『夏の夜の夢』である。生演奏つきで、とても楽しい。
9月7日、8日、スチュアート朝研究会。一日目は校務で行けず無念。二日目は、ロマン派時代の演劇を読んでみる会ということで、Colman the Younger, Blue-Beard(1798)とMatthew Lewis, Timour the Tartar_(1811)というマニアックな2本立て。実は両作品とも「馬」が重要な役割を果たすのだけど、前者では初演は作り物の馬だったのが1800年代に入ってからの再演では本物の馬を用い、後者は最初から本物の馬を出している。で、その際に馬を劇場に貸し出したのが、当時人気を博していた「近代サーカスの父」Philip Astleyであったようで、そのあたり盛り上がる。
ずっと自分の研究は進めていないのだけど、今年度はドライデンについて書きたいと思っているので、(ほんの)少しずつ進める。どうなりますやら。